AutoCADで印刷すると「色が変わってしまう」「線の太さが図面通りにならない」——その原因の多くは印刷スタイルテーブル(CTB・STB)の設定にあります。
この記事では、CTBとSTBの違い・切り替え方法・ゼロから設定する手順をコマンド名込みで解説します。
CTBとSTBの違い:まず結論から
| CTB(色従属印刷スタイル) | STB(名前付き印刷スタイル) | |
|---|---|---|
| 管理単位 | オブジェクトの色番号ごとに設定 | スタイル名ごとに設定 |
| 線の太さ | 色番号に紐付けて一括管理 | オブジェクト個別に割り当て可能 |
| 使いやすさ | シンプル・昔からある方法 | 柔軟・複雑な図面向け |
| 拡張子 | .ctb | .stb |
| 向いている用途 | 建築・機械の一般的な図面 | 複数の印刷スタイルが必要な案件 |
迷ったらCTBを選んでください。日本の建築・機械設計の現場では CTB が主流です。
CTBファイルの設定手順
1. 新しいCTBファイルを作成する
- コマンドラインに
STYLESMANAGERと入力 → 印刷スタイルマネージャーが開く - 「新しい印刷スタイルテーブルを追加」ウィザードを起動
- 「ゼロから作成」を選択 →「色従属印刷スタイルテーブル」を選択
- ファイル名を入力(例:
monochrome-A3.ctb)して完了
2. 色番号ごとに線の太さ・色を設定する
- 作成したCTBファイルをダブルクリックして「印刷スタイルテーブルエディタ」を開く
- 左の「印刷スタイル」リストから色番号(Color 1〜255)を選択
- 右の「プロパティ」で以下を設定:
- 「色」→ 黒(モノクロ印刷の場合)
- 「線の太さ」→ 0.25mm / 0.35mm / 0.5mm など
- 「線種」→ 実線・破線など(通常は「オブジェクトの線種を使用」推奨)
- 「保存して閉じる」
3. レイアウト(ペーパースペース)にCTBを適用する
- レイアウトタブを右クリック →「ページ設定を管理」
- 「変更」→「印刷スタイルテーブル」のドロップダウンから作成したCTBを選択
- 「このレイアウトに適用」をオンにして「OK」
コマンド PLOT(印刷ダイアログ)からも同じくCTBを選択できます。
STBファイルの設定手順
1. 図面をSTBモードに切り替える
AutoCADの図面は作成時点でCTBまたはSTBどちらかに固定されています。既存のCTB図面をSTBに変換するには CONVERTPSTYLES コマンドを使います。
CONVERTPSTYLESを実行 → 確認メッセージで「OK」- 図面が STB モードに切り替わる(ページ設定でSTBファイルが選択可能になる)
2. STBファイルを作成してスタイルを定義する
STYLESMANAGER→「新しい印刷スタイルテーブルを追加」- 「名前付き印刷スタイルテーブル」を選択してファイル名を入力
- エディタでスタイル名(例:「太線」「細線」「破線」)を追加して線の太さ・色を設定
3. オブジェクト・レイヤーにSTBスタイルを割り当てる
- レイヤープロパティ管理(
LAYER)でレイヤーごとにスタイルを割り当てる - プロパティパレット(
PROPERTIES)でオブジェクト個別にも設定可能
よくあるトラブルと解決策
① 印刷しても線の太さが変わらない
- 「印刷スタイルを表示」が無効になっている →
PSTYLEMODE変数を確認(0=CTB有効、1=スタイルなし) - ページ設定でCTBが「なし」になっている → レイアウトのページ設定を確認
- オブジェクトの線の太さがオーバーライドされている →
PROPERTIESで「線の太さ」を「レイヤー」に戻す
② カラー印刷になってしまう(モノクロにしたい)
- CTBエディタで全色番号の「色」を「黒(Black)」に設定する
- または AutoCAD付属の
monochrome.ctbを使う(STYLESMANAGER で確認可能)
③ CTBファイルが他のPCで反映されない
- CTBファイルは
%AppData%\Autodesk\AutoCAD 20XX\RXX\ja-JP\Plotters\Plot Stylesフォルダに保存されています - このフォルダごとコピーして移行先PCに配置してください
まとめ:コマンド早見表
| やりたいこと | コマンド |
|---|---|
| 印刷スタイルマネージャーを開く | STYLESMANAGER |
| レイアウトのページ設定を変更 | PAGESETUP |
| 印刷ダイアログを開く | PLOT |
| 図面をCTB→STBに変換 | CONVERTPSTYLES |
| オブジェクトのプロパティ確認 | PROPERTIES |
| レイヤー管理 | LAYER |
CTBは「色番号=印刷スタイル」というシンプルな考え方なので、まずCTBで運用を始めるのがおすすめです。ファイルを複数のPCで共有する際はCTBファイルも一緒に渡すことを忘れずに。
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