引張応力とは?計算方法・許容応力度と建築CADでの活用

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引張応力(ひっぱりおうりょく)とは、部材を引っ張る方向に働く内力(応力)のことです。

建築構造設計や建築CADで図面を扱う際、引張応力の概念は部材の安全性確認に欠かせない基礎知識です。

引張応力とは?基本的な意味

物体に外力が加わったとき、その内部に生じる単位面積あたりの力を「応力(stress)」と呼びます。

このうち、部材を引き延ばそうとする方向に働くものを引張応力(引っ張り応力)といいます。

一方、部材を圧縮する方向に働く応力は「圧縮応力」と呼び、引張応力と対になる概念です。

建築構造では両者を正しく理解することが設計の基本です。

引張応力の計算式

引張応力は次の式で求められます。

σ(引張応力度)= N(引張力) ÷ A(断面積)

記号意味単位
σ(シグマ)引張応力度N/mm²(MPa)
N部材に作用する引張力(軸力)N(ニュートン)
A断面積mm²

計算例

断面積100mm²の鋼棒に10,000N(10kN)の引張力が作用する場合:

σ = 10,000 ÷ 100 = 100 N/mm²(100 MPa)

引張応力と許容引張応力度

設計では、計算で求めた引張応力度が許容引張応力度以下であることを確認します。

許容応力度は材料の種類・品質・荷重条件によって建築基準法令で定められています。

材料長期許容引張応力度の目安
SS400(一般構造用鋼)約 156 N/mm²
SD295A(異形鉄筋)約 195 N/mm²
コンクリート(Fc21)引張は原則ゼロとして設計

コンクリートは圧縮には強いですが引張に弱いため、引張を鉄筋に負担させる鉄筋コンクリート(RC)構造が一般的です。

建築部材における引張応力の発生箇所

部材引張応力が生じやすい箇所
梁(単純梁)下端(下フランジ):曲げ引張
片持ち梁上端:曲げ引張
トラス引張材(下弦材・斜材の一部)
柱(軸力+曲げ)曲げ応力が大きい側の端部
アンカーボルト全断面に均一な引張応力

AutoCAD・建築CADでの引張応力の活用

建築CADで構造図を作成する際、引張応力に関連する以下の情報を図面に正確に反映させることが重要です。

  • 鉄筋の配置位置:引張応力が生じる側に鉄筋(主筋)を配置する
  • 断面寸法の表記:引張応力度の計算根拠となる断面積を明示する
  • 材料記号:SS400・SD295Aなど許容応力度の根拠となる材料を明記する
  • 接合部の設計:引張力が伝達される溶接・ボルト接合部の詳細を描く

よくある質問

引張応力と引張応力度の違いは?

「引張応力」は部材に作用する力(N、kN)を指す場合もありますが、厳密には「引張応力度(σ)」が単位面積あたりの値(N/mm²)です。建築構造設計では応力度を使って部材の安全性を確認します。

引張応力がゼロとはどういう意味?

部材に引張力が作用しない状態(圧縮のみ)を指します。コンクリート部材では引張を生じさせない設計が原則です。

まとめ

引張応力とは部材を引っ張る方向に働く応力であり、σ=N÷Aで計算します。

建築構造設計では引張応力度が許容値以下であることを確認することが必須です。

AutoCADで構造図を作成する際も、引張側への鉄筋配置・断面寸法・材料記号などを正確に表現することが安全な建築物の実現につながります。


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この記事を書いた人
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建設会社に勤務しながら、日々の業務でAutoCADを活用しているCAD勉強中のサイト運営者です。現場での施工図作成や設計補助を通じて、AutoCADの操作を実践的に習得中。「難しそう」と感じている方にも伝わるよう、初心者目線でわかりやすくCADの使い方・資格・キャリアについて情報発信しています。建設業界の実務経験をもとに、現場で本当に役立つ知識をお届けします。

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