
根巻きコンクリート(ねまきコンクリート)とは、鉄骨柱の脚部(柱脚)をコンクリートで包み込んで固定する構造形式です。
鉄骨造建築物の柱脚部の設計において重要な工法であり、AutoCADで構造施工図を描く際にも正確な理解が必要です。
根巻きコンクリートとは?
鉄骨造建築物の柱は、基礎(フーチング)との接合部(柱脚)で大きな曲げモーメントや軸力を受けます。
この柱脚を安定させるために、鉄骨柱の下部をコンクリートで包み込んだものが「根巻きコンクリート」です。
根巻き柱脚は「埋め込み柱脚」とも呼ばれ、露出柱脚(ベースプレート+アンカーボルトのみ)に比べて固定度が高く、地震時の変形抑制に優れています。
根巻きコンクリートの役割
- 曲げモーメントの伝達:柱脚部の曲げモーメントをコンクリートを介して基礎へ伝える
- せん断力の伝達:水平力(地震力・風圧力)を基礎へ安全に伝達する
- 固定度の確保:柱脚を固定端に近い状態にして建物の剛性を高める
- 耐火性の向上:コンクリートで覆うことで鉄骨柱脚部の耐火性能を確保する
根巻きコンクリートの寸法・仕様
根巻きコンクリートの設計寸法は、建築基準法や日本建築学会の規準(SCSS-H97など)に基づいて決定されます。一般的な目安は次のとおりです。
| 項目 | 目安・基準 |
|---|---|
| 根巻き高さ(hc) | 柱せい(柱断面の高さ)の2.5倍以上が目安 |
| コンクリート強度 | Fc21〜Fc24 N/mm²以上(基礎と同等以上) |
| 鉄筋の配置 | 主筋(縦筋)+帯筋(フープ筋)を配置 |
| かぶり厚さ | 最小40mm(屋内の場合) |
| 帯筋間隔 | 100〜150mm程度(上部はより密に配置) |
根巻きコンクリートの種類
1. 露出型根巻き柱脚
基礎スラブ上にコンクリートで根巻きし、上部は鉄骨柱が露出する形式です。施工が比較的容易で一般的に用いられます。
2. 埋め込み型柱脚
鉄骨柱を基礎梁・フーチングに深く埋め込む形式で、最も固定度が高い柱脚です。根巻き高さを大きく確保できる場合に採用されます。
AutoCADで根巻きコンクリートの図面を描く方法
根巻き柱脚の施工図は、断面図・平面図・配筋詳細図の3つを作成します。
断面図の描き方
- 基礎スラブ・フーチングの外形線を描く(PLINE・RECTANGLEコマンド)
- 鉄骨柱の断面を中央に描く(H形鋼の断面形状はブロックとして登録しておくと便利)
- 根巻きコンクリートの外形線を描く(鉄骨柱を囲む矩形。かぶり厚分を外側に設定)
- ベースプレートとアンカーボルトを描く
- 配筋(主筋・帯筋)を描く(HATCHコマンドでコンクリートをハッチング)
- 根巻き高さ・コンクリート強度・鉄筋径の寸法・注記を記入する
平面図の描き方
根巻きコンクリートの平面寸法、主筋の本数・配置、帯筋の間隔を平面図に明示します。柱芯と根巻き外形の関係を寸法線で示すことが重要です。
よくある質問
根巻きコンクリートと布基礎の違いは?
布基礎は地盤上に連続して設ける基礎構造であり、根巻きコンクリートは鉄骨柱脚部を包む部分的なコンクリートです。根巻きは布基礎や独立基礎と組み合わせて使用します。
根巻き高さが不足するとどうなる?
根巻き高さが不十分だと、柱脚部の固定度が低下し、地震時に建物が過大変形する可能性があります。また、コンクリートのひび割れや鉄骨との剥離が生じるリスクも高まります。
まとめ
根巻きコンクリートとは鉄骨柱脚部をコンクリートで包んで固定する構造形式で、曲げモーメント・せん断力の伝達と固定度確保が主な役割です。
根巻き高さは柱せいの2.5倍以上が目安で、主筋・帯筋の配置が重要です。
AutoCADで施工図を作成する際は、断面図・平面図・配筋詳細を正確に描き、寸法・注記を漏れなく記入しましょう。
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