AutoCADを使って図面を作成していると、面積を計算する場面がよく出てきます。
「もっと早く、正確に面積を測る方法はないのかな…」と感じたり、「複雑な図形の面積計算は手間で大変だな…」と悩んだりする方もいるかもしれません。
実は、AutoCADには面積を簡単かつ正確に計測できる便利な機能が備わっています。
この機能を使いこなせば、面倒な計算作業から解放され、業務効率を大幅に向上させることが可能です。
この記事では、AutoCADでの面積計算に苦労している方に向けて、
– 基本的な面積計測コマンドの使い方
– 複数のオブジェクトをまとめて計測する応用技
– 計測結果を図面に簡単に記入する方法
上記について、分かりやすく解説しています。
初心者の方でも手順通りに進めれば、すぐに面積計測のコツをつかめるはずです。
今まで手作業で時間をかけていた計算が、あっという間に終わるようになりますので、ぜひ参考にしてください。
Autocadで面積計測を始める前に
準備するべき基本操作
AutoCADで正確な面積計測を行うには、いくつかの基本操作を事前にマスターしておくことが重要です。
特に「オブジェクトスナップ(OSNAP)」の設定は欠かせません。
キーボードのF3キーでオン/オフを切り替え、端点や交点、中心といった図形の重要な点を正確に選択できるように準備しておきましょう。
この設定がオフになっていると、意図しない場所をクリックしてしまい、計測結果に大きな誤差が生じる原因となります。
また、「UNITS」コマンドを実行し、図面の単位を確認することも大切です。
例えば、長さのタイプを「10進数」、挿入尺度を「ミリメートル」に設定しておけば、計測結果を平方ミリメートルとして扱えます。
さらに、画面下部のコマンドラインを常に意識する癖をつけると、AutoCADからの指示がわかり、次の操作に迷うことが減るでしょう。
これらの基本操作を身につけることが、スムーズな面積計測への第一歩となるのです。
計測コマンドの活用法
AutoCADで面積を計測する際に最も基本となるのが「AREA」コマンドの活用です。
このコマンドをコマンドラインに入力し、Enterキーを押すことで起動させられます。
使い方は非常に直感的で、計測したい領域の角を順番にクリックしていくだけ。
最後に再びEnterキーを押せば、コマンドラインやカーソル付近に面積と周長が表示される仕組みになっています。
さらに「AREA」コマンドの真価は、その豊富なオプション機能にあるでしょう。
「オブジェクト(O)」オプションを選択すれば、円や閉じたポリラインといったオブジェクトをワンクリックするだけで、即座に面積を算出できるのです。
また、「面積を加算(A)」モードや「面積を減算(S)」モードに切り替えることも可能。
これにより、複数の離れた図形の面積を合計したり、全体の面積から特定の不要な部分を差し引いたりする複雑な計算も、AutoCAD 2024などのバージョンでは簡単に行えます。
コマンドエイリアス「AA」を覚えておくと、より迅速な操作が実現します。
Autocadでの面積計測方法
マウスを使った直感的計測
AutoCADで面積を測る最も直感的な方法は、マウスを使って計測範囲を直接指定するやり方でしょう。
まず、コマンドラインに「AREA」と入力しEnterキーを押してください。
カーソルが十字に変化したら、面積を知りたい図形の角を時計回り、または反時計回りに順番にクリックしていきます。
クリックするたびに選択範囲が緑色で塗りつぶされるため、どこまで計測しているか一目で把握できるはずです。
すべての角を指定し終えたら、最後に再びEnterキーを押すことで計測が完了します。
コマンドラインに面積(Area)と周長(Perimeter)が数値で表示されるので確認しましょう。
この方法は、ポリライン化されていない単純な四角形や多角形の面積を一時的に確認したい場合に大変役立ちます。
複雑なコマンドを覚える必要がなく、初心者でもすぐに使える手軽さが大きな魅力といえるでしょう。
オブジェクト単位での加算と減算
AutoCADでは、複数のオブジェクトを選択して、面積を足したり引いたりする計算が簡単に行えます。
この機能は、例えば100㎡の敷地面積から50㎡の建物の面積を差し引いて、外構部分の面積を正確に求めたい場合などに大変役立つでしょう。
具体的な操作は「AREA」コマンドから始めます。
コマンドを実行後に表示されるオプションから「オブジェクトを追加(A)」を選択し、面積を加えたいオブジェクトを順番にクリックしていってください。
合計したいオブジェクトを選び終えたら、次は「オブジェクトを減算(S)」に切り替えます。
そして、面積を引きたいオブジェクトを選択するのです。
例えば、部屋の総面積から複数の柱の面積を引くといった計算が可能です。
全てのオブジェクトを選択し終えたら、Enterキーを押しましょう。
すると、加算・減算された最終的な合計面積がコマンドライン上に表示される仕組みとなっています。
加算・減算時の注意点
面積の加算・減算を行う際には、いくつかの重要な確認事項が存在します。
まず最も基本的な注意点として、対象となるポリラインなどが完全に閉じているかを確認しましょう。
わずかな隙間があるだけでも正確な面積は算出されないため、プロパティパレットで「閉じる」の項目が「はい」になっているかチェックするのが有効です。
次に、オブジェクトが意図せず重なっていないかも確かめてください。
見た目では一本の線でも、データ上で重複していると計算エラーの原因となります。
`OVERKILL`コマンドで重複オブジェクトを事前に削除しておくと、こうしたミスを防ぐことにつながります。
また、減算モードを利用する際は、オブジェクトを選択する順番が非常に重要。
最初に全体の面積を持つオブジェクトを選択し、次にそこから引くオブジェクトを選択するという手順を間違えないよう注意が必要です。
これらのポイントを意識するだけで、計測の精度は格段に向上するはず。
効率的な面積測定のテクニック
ハッチングオブジェクトの利用
複雑な形状や複数の閉じた領域の面積をまとめて知りたい場合に、ハッチング機能が大変役立ちます。
コマンドラインに`HATCH`(エイリアス: `H`)と入力するか、リボンの「作成」パネルから「ハッチング」を選択しましょう。
次に、任意のパターンを選び、面積を測定したい閉じた図形の内側をクリックすると、その領域にハッチングが作成されるのです。
この操作は、複数の離れた領域に対しても一度に行えるため便利です。
ハッチングを作成した後、そのオブジェクトを選択した状態で「オブジェクトプロパティ管理」パレット(ショートカットキー: `Ctrl`+`1`)を確認してください。
パレット内の「ジオメトリ」という項目に、選択したハッチングの合計面積が自動で表示される仕組みになっています。
この方法を使えば、例えば建物の平面図で複数の部屋の床面積を合計するといった作業も、クリック数回で完了させられるので、作業効率が飛躍的に向上するでしょう。
ポリラインを使った計測
複雑な形状や複数の線分で構成された領域の面積を求めるなら、ポリラインの活用が最も効率的な方法でしょう。
ポリラインとは、複数の線分や円弧がひとつのオブジェクトとして結合された図形を指します。
この「ひとつにつながっている」という特性により、オブジェクトを選択するだけで、その内側の面積を正確に算出できる仕組みです。
計測の手順は非常にシンプル。
「PLINE」コマンドで対象の輪郭をなぞり、閉じたポリラインを作成します。
すでに存在するバラバラの線分や円弧で描かれた図形の場合は、「JOIN」コマンドを使い、それらを結合して単一のポリラインに変換しましょう。
ポリラインが完成したら、そのオブジェクトを選択した状態でプロパティパレット(ショートカットキー:Ctrl+1)を表示させてください。
パレット内の「ジオメトリ」セクションに、オブジェクトの面積が平方ミリメートル単位で自動的に表示されます。
クリックを繰り返す必要がなく、ヒューマンエラーも防げるため、ぜひマスターしたいテクニックです。
計測結果を活用する方法
面積のラベル付け方法
AutoCADで計測した面積は、図面内にテキストとして直接記載できます。
この作業には、「フィールド」機能を活用するのが非常に便利でしょう。
まず、`MTEXT`(マルチテキスト)コマンドを使い、文字を記入する領域を作成してください。
テキストエディタが開いたら、入力領域で右クリックしてメニューから「フィールドを挿入」を選びます。
表示されるダイアログボックスで、フィールドカテゴリから「オブジェクト」を選択しましょう。
次に、フィールド名も「オブジェクト」に設定し、図面上の面積を知りたい閉じたポリラインなどをクリックします。
プロパティ一覧から「面積」を選び、表示形式や小数点以下の桁数を指定すれば設定は完了です。
この方法の最大の利点は、オブジェクトの形状を変更すると、記載された面積の数値も自動で更新される点にあります。
手入力による修正ミスを防ぎ、設計変更にも迅速に対応できるため、作業効率が格段に向上するはずです。
単位を平方メートル(㎡)で表示したい場合は、追加の書式設定で変換係数「0.000001」を入力するといった応用も可能です。
オブジェクトの整列と配置
AutoCADで計測した面積情報は、オブジェクトの効率的な整列や配置に直接活かせます。
例えば、「ALIGN(位置合わせ)」コマンドを利用すれば、特定の面積を持つオブジェクトを、基準となる線分やポリラインにぴったりと合わせることが可能です。
建物を敷地境界線に沿って正確に配置したい場合などに、この機能が非常に役立つでしょう。
また、「ARRAY(配列複写)」コマンドを使えば、同じ面積のオブジェクトを複数、規則正しく並べる作業が簡単になります。
駐車場1台分の区画を20台分並べたり、規格化されたソーラーパネルを屋根に敷き詰めたりする際に重宝するはずです。
これらのコマンドを駆使することで、面積計測の結果を設計図へスムーズに反映させ、作図全体のスピードアップを図ってみてください。
設計変更でオブジェクトの再配置が必要になった際も、迅速に対応できるようになります。
Autocadの面積計測に関するよくある質問
面積計測が正確にできない場合の対策
AutoCADで面積が正しく計測できない場合、その多くはオブジェクトの不備が原因と考えられます。
最もよくあるのが、複数の線分で囲んだ領域が完全に閉じていないケースでしょう。
一見つながっていても、拡大するとわずかな隙間があり、これでは正確な面積は算出されません。
この対策として、`PEDIT`コマンドで複数の線分を1本のポリラインに結合し、「閉じる(C)」オプションを実行する方法が非常に有効です。
また、`BOUNDARY`コマンドを使えば、閉じた領域内をクリックするだけで自動的にポリラインを生成してくれるため、複雑な形状でも確実でしょう。
さらに、見た目ではわからない重複線が存在することも、誤差の大きな原因となります。
`OVERKILL`コマンドを実行して、不要なオブジェクトを整理してみてください。
ほかにも、オブジェクトスナップ(F3キー)がオフになっていないか、`UNITS`コマンドで設定した図面単位(例えばミリメートル)と計算結果の単位が合っているかといった基本的な設定も、今一度確認することが重要になります。
計測結果を他のソフトで活用するには
AutoCADで算出した面積データは、他のソフトウェアで有効活用することが可能です。
最も手軽な方法は、コマンドウィンドウに表示された面積の数値をコピーし、Microsoft ExcelやGoogleスプレッドシートに直接貼り付けるやり方でしょう。
Ctrl+CとCtrl+Vのショートカットキーを使えば、瞬時に簡単な面積表が作れます。
複数のオブジェクト面積をまとめてリスト化したい場合には、プロパティパレットから情報をコピーするか、`DATAEXTRACTION`コマンドでデータをCSVファイルとして書き出す方法が便利です。
書き出したCSVファイルはExcelで開けるため、関数を利用した自動計算や、本格的な見積書・積算資料の作成に直接応用できます。
例えば、各部屋の面積リストに単価を掛けて内装費用を算出する、といった作業が格段に効率化されるでしょう。
このようにAutoCADのデータを他ソフトと連携させることで、設計から事務作業までのワークフローをスムーズにつなげてみてください。
まとめ:AutoCADでの面積計測を効率化し設計業務を加速させよう
今回は、図面の面積出しに時間がかかってしまい困っている設計者の方に向けて、
– 基本的なコマンドを使用した計測手順
– ポリライン機能を使った一括算出の方法
– 複雑な図形も瞬時に測れる便利なテクニック
上記について、解説してきました。
AutoCADには便利な機能がたくさんありますが、どれが最適なのか判断するのは難しいものです。
特に面積計算は頻繁に行う作業だからこそ、少しの工夫が大きな時間短縮につながるでしょう。
慣れないうちは操作に戸惑い、思うように作業が進まないこともあるかもしれません。
まずは、この記事で紹介した方法を一つずつ実際の図面で試してみることをおすすめします。
実際に手を動かして機能を体験することで、これまで面倒だった作業が驚くほど簡単になることを実感できるはずです。
これまで地道な作業で積み上げてきた経験は、正確な図面を作成するための大切な土台となります。
その培ってきた丁寧さと新しい知識が組み合わされれば、作業の質はさらに向上していくことでしょう。
効率的な計測方法を身につけることで、余裕を持って設計やデザインの本質的な部分に向き合えるようになります。
日々の業務がスムーズになれば、仕事に対するモチベーションもより一層高まるに違いありません。
次の業務からは、ぜひ今回学んだ裏ワザを積極的に活用してみてください。
筆者は、新しいスキルを習得してさらなる活躍を目指す姿勢を心から応援しています。


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